百合好きによる百合小説掲載ブログ

現在公開している小説は長編一本のみです。投稿順に読んでいただければ問題ないので、初めは「私立桜花女学園・恵子の場合①」からスタートして下さい。またこのシリーズには性的な描写を含む場合があります。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

私立桜花女学園・遥の場合②

「失礼します!」 慌ただしく保健室に駆け込む。ちょうど養護教諭の手が空いていたようで容体を見てもらった所、「気を失ってるだけだな。寝かせておけ」との事。少し粗野な口調で、慣れていないと本当に大丈夫かと不安を抱いてしまう所だが、幸い私はこの人…

私立桜花女学園・遥の場合①

私、見城遥はバレー部で一応"エース"と呼ばれる立場にいる。高一の夏、スポーツ特待生でこの学校に入学した私は順調にレギュラーの座を勝ち取り公式戦にも出場。惜しくも全国への切符は逃したものの、私は一年生唯一のバレー部スターティングメンバーとして…

私立桜花女学園・恵子の場合④

「起立、気を付け、礼」「「お疲れ様でした」」 最後の授業が終わって放課後、勉強で固まった体を少し伸ばして周囲を見やる。待ってたとばかりに部活に向かう人、友人と談笑する人、さっさと帰り支度を整えて帰宅する人・・・大体その三パターンに分かれた生…

私立桜花女学園・恵子の場合③

LHR2コマをがっつり使った練習が終わってお昼休み。カバンからお弁当を取り出したところで華凛から声が掛かった。 「やー、お腹空いたね」 一時間半近くも動いたはずなのに彼女から疲れは感じられない。先輩とは違うが、この子もまたエネルギーに満ち溢れた…

私立桜花女学園・恵子の場合②

「はぁ・・・」 思わず溜め息が零れてしまう。 (今日もちゃんと話せなかったな・・・) 今朝の事を思い出して暗い気分になってしまう。結局あの後遥先輩と一緒に登校は出来たものの、その間ずっと頭の中は真っ白で会話の内容は全く覚えていない。というか、…

私立桜花女学園・恵子の場合①

「ふぁ・・・ん・・・」 薄暗い部屋に湿り気を帯びた声が小さく鳴った。 「んん、っあ・・・ぅん・・・」 その声に連動するようにくちくちと粘り気のある音が響く。閑静な住宅街。夜の帳が降りてより幾刻、既に0時を回った街には車の走る音ももう聞こえない…